「ガラスの大エレベーター」ロアルド・ダール

When you have been with us a little longer, nothing will amaze you.


チョコレート工場の秘密」の続編です。「Charlie and the Great Glass Elevator」1972年


前作のラストで、ガラスのエレベーターに乗ってチョコレート工場へとむかったチャーリーとその家族ですが、エレベーターはぐんぐん上昇し、宇宙にとびだしてしまいます!
宇宙には、アメリカのつくったホテルが、オープンをむかえようとしていました。
そこへ突如あらわれた謎の人物たちに、ホワイトハウスは大騒ぎ。
そしてホテルには、おそろしい宇宙怪物が…


という前半部分にはじまって、後半は、チョコレート工場に再び舞台は戻ります。
ワンカさんの発明した、若返りの薬をめぐって、お年寄りたちは醜い諍いをつい起こしてしまい…?


ワンカさんとお年寄りたちのやりとりや、アメリカの大統領とその取り巻きたちのおバカなやりとりが楽しい一冊。

たった一日のあいだに、めまぐるしく、とんでもないことが起きるのですが、それだけにラストの、

"It's not over yet," Charlie said, laughing. "It hasn't even begun."


の一言は、ちょっと心に残りました。
この先もっと、とんでもないことが起こってゆくんだろうなあ…


英語としては、宇宙用語になじみがなかったので(SFは読んだことなくて…)、ちょっとその辺、とまどいましたが勉強にもなりました。
読みやすさでいうなら、前作のほうが読みやすかったかな、という気はします。


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邦訳は、「ロアルド・ダールコレクション5 ガラスの大エレベーター」という題で新訳が2005年に出ています。旧訳は「ガラスのエレベーター宇宙にとびだす」というタイトル。

ガラスの大エレベーター (ロアルド・ダールコレクション 5)

ガラスの大エレベーター (ロアルド・ダールコレクション 5)

ガラスのエレベーター宇宙にとびだす (評論社の児童図書館・文学の部屋)

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