「夜の声」W・H・ホジスン

ただ—ただ、わしらはかつて、人間の男と女であったのだ!
Only—only we had been man and maid!(引用)

ウィリアム・ホープ・ホジスン(William Hope Hodgson)の「夜の声」を読みました。
東京創元社 井辻朱美:訳


クトゥルーラブクラフトに多大な影響を与えたとされるホジスン。
この本は、ホジスンの海洋ホラー系の短編を中心に集めたものです。


表題作の「夜の声」The Voice in the Night、なんだか読んだことがあるような…と思ったら、怪獣映画「マタンゴ」の原作だそうです。
マタンゴという映画自体は観たことないのですが、むかーし「怪獣文学大全」(河出文庫)という、怪獣映画の原作やらなにやらを集めたような本を読んだことがあって、それに収録されていたっぽいです。っぽいというのは、読んだのが遥かむかしすぎて内容をもうあまり覚えていないからです。そもそもなんだってそんな…怪獣モノを読みたいなどと思ったのかさえ最早さだかではありませんが、怪獣モノが読みたかったのでしょう。
それはさておき、ホジスンの作品は著作権がもう切れているので、英語の原文はネットで無料で読めるものが多いです。
この本に収録されている作品も、「ウドの島 The Island of the Ud」以外は全部、原文を探せました。(ウドの島も、私の探し方が悪いだけで、どこかにあるかもしれません…。)


夜の声 The Voice in the Night
こちらのサイトさんで読めます
http://en.wikisource.org/wiki/The_Voice_in_the_Night


熱帯の恐怖 A Tropical Horror
http://en.wikisource.org/wiki/A_Tropical_Horror


廃船の謎 The Mystery of the Derelict
http://www.horrormasters.com/Text/a1461.pdf


グレイケン号の発見 The Finding of the Graiken
http://www.horrormasters.com/Text/a1045.pdf


石の船 The Stone Ship
http://manybooks.net/pages/hodgsonwother09stone_ship/0.html


カビの船 The Derelict
http://en.wikisource.org/wiki/The_Derelict_(short_story)


水槽の恐怖
http://www.strangeark.com/cryptofiction/terror-water-tank.html


なお、邦訳の巻末の解説には作者ホジスンのことが詳しく書かれてあって、その人生というのが、なかなか壮絶で面白かったです。

夜の声 (創元推理文庫 (536‐1))夜の声 (創元推理文庫 (536‐1))
井辻朱美

東京創元社 1985-08


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