「チョコレート工場の秘密」ロアルド・ダール

In your wildest dreams you could not imagine that such things could happen to you! Just wait and see!
どんなにとっぴな夢の中でも、きみにそんなことが起こるなどと、けっして想像できないかずかずです! お楽しみに!(柳瀬尚紀:訳より引用)


ティム・バートン監督の「チャーリーとチョコレート工場」のDVDをみてしまい、個人的に大ウケし、なんとなく原作も読み返したくなったので、ついでに邦訳も買って読むことにしました。
読む前にチョコレートも買ってきて、いつ食べたくなっても大丈夫!
と、準備万端で読みはじめたのですが、いざ、チョコレートをかじろうとしたら…
とけてました。…おお…
季節はすっかり夏ですね。


話の内容は、ワンカさんの世界最大規模の秘密のチョコレート工場の見学に訪れた子供たちが、注意をきかずに、つぎつぎとひどい目にあう…というもの。
映画とは、ワンカさんの性格がちょっと違います。原作のワンカさんのほうが、明るめかな。


物語の大筋とは関係ないんですが、
テレビばかりみている少年に対して、テレビをみないで本を読もう、とウンパ・ルンパたちが歌う箇所

The younger ones had Beatrix Potter
With Mr. Tod, the dirty rotter,
And Squirrel Nutkin, Pigling Bland.
And Mrs. Tiggy-Winkle and -


ちいさな子供たちは、ビアトリクス・ポターの絵本を読もう! ということで、ピーターラビットシリーズの絵本に登場するキャラクターたち、カエルのジャクソンさんや、リスのナトキン、子豚のピグリン、ティギー・ウィンクルおばさんなどが列挙されている、という感じなのですが、
ダールは、先日紹介した「ロアルド・ダールの幽霊物語」の序文でも、ぜんぜん幽霊物語と関係ないのに、ビアトリクス・ポターのことを褒めていますし、ポターの絵本が好きだったのかなあ、と思うと、なんか嬉しいです。


ただ、この部分の邦訳は、

ちびっ子たちにはちびっ子本がもってこい
狐のゴン吉ずるがしこい
おちゃめな茶リスや白子豚
けたけた笑うちびっ子まぶた
(柳瀬尚紀:訳より引用)


どうしてだかはわかりませんが、まるきり、ポターの作品だとはわからないように訳されてるのが残念。…たぶん、何か事情はあるんでしょうけど…。


洋書は、私が持っているのはアメリカ版のペーパーバックなんですが、けっこういろんなエディションが出ているみたいです。
また、講談社の英語文庫にもなっているので、そちらを読むのもいいかも。


→本の詳細・洋書(amazon)


邦訳は、新訳と旧訳、ともに評論社さんから出ています。

チョコレート工場の秘密 (ロアルド・ダールコレクション 2)

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チョコレート工場の秘密 (児童図書館・文学の部屋)

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