「ことっとスタート」ロアルド・ダール

ロアルド・ダールの「Esio Trot」

ホッピー氏はひとり暮らしの初老の男性。仕事も引退し、ベランダで花の世話を楽しむ毎日。そんなホッピー氏の、一階下の部屋では、未亡人のシルバー夫人が暮らしている。ふたりはいつも、ベランダごしに挨拶をかわす仲。でも、それ以上の関係にはならない。ホッピー氏には、それが残念でたまらない。思いきって、お茶にさそったりしたいのだけれど、でも、いざとなると、気後れしてしまう。何かきっかけさえあれば…夫人を悪漢からたすけるだとか…なんて夢想するホッピー氏に、ある日、チャンスがおとずれた！

シルバー夫人は、ベランダでカメを飼っていて、その溺愛ぶりは、ホッピー氏が嫉妬を感じるほど。そのカメが、ちっとも大きくならないのが、かわいそうだというシルバー夫人。その願いをかなえる、とんでもない大作戦を、ホッピー氏は思いつくことができたのだ…

六十ページくらいの、短いお話。ちいさい子向けに書かれたお話のようですので、挿絵も多く、ほとんど絵本に近いです。なので、絵をみただけでも、かなりのところ、ストーリーはわかります。毒みたいなものもなく、ほのぼのとしたお話。

…ところで、ホッピー氏の教えた、カメの成長を早める「魔法のことば」に、「Poo」が多すぎる、とシルバー夫人が言う場面があり、「poo」って、そんなによくない言葉なのかな？　と思って、ちょっと辞書をひいてみたんですが…。poo …　うんち。
…。ついでに、「pooh」も調べてみる。…やっぱり、うんち。
…。
そしたら…、あの有名なクマは…。まさか…。だから黄色いの！？
……
そんなわけないか。

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邦訳は、新訳が「ロアルド・ダールコレクション18　ことっとスタート」
旧訳は、「恋のまじない、ヨサンメカ」というタイトルで、でています。

ことっとスタート (ロアルド・ダールコレクション 18)

恋のまじない、ヨンサメカ (児童図書館・文学の部屋)