「時間のない国で」ケイト・トンプソン

The New PolicemanThe New Policeman

Greenwillow Books 2008-05-01


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ケイト・トンプソンの「時間のない国で」
原題「The New Policeman」2005年
を読みました。
2005年ガーディアン賞、ウィットブレッド賞コスタ賞)、ビスト最優秀児童図書賞受賞作。


とりあえず原書を…(厳密には原書は英国版。私が買ったのは米国版ですが)…なるべくゆっくり読みました。どうも私、はやく読もうと思うと、文字を眺めるだけで頭のなかに意味が入ってこないことが多いようです。そうなると何度も前に戻って読み直したりしなくちゃならないので、焦らずゆっくり読んだほうが、むしろ結果的には速く読めることに最近気づきました。
アイルランドが舞台の物語で、ティル・ナ・ノグとか、トゥアハ・デ・ダナーンとか、フィアナ騎士団とかオシアンとかチェンジリングとかフィドルとかって文字をみただけで、ときめくものを覚える方には、いろいろ面白い要素がつまった物語だと思います。反対に、アイルランドの妖精とか音楽とかダンスに興味がない人には、少々わかりにくい部分があるかもしれないなと思いました。


あらすじ
誕生日のプレゼントに「時間がほしい」という母親のために、JJは「永遠なる若さの国(ティル・ナ・ノグ)」を訪れます。
本来なら「時間」のない国、時が止まったままで老いることも死ぬこともなく、健康な者は永遠に健康で、病や傷をおった者は永遠にそれが癒えることのない国。いわゆる「妖精」たちが棲むといわれるその国で、どういうわけか「時間」が流れはじめているようで…?


楽譜が40曲近く掲載されているので、楽譜が読めたり何か楽器が演奏できたり、アイルランドのトラッドに興味がある方には、二倍楽しい本かもしれません。


英語は…7〜8割は読めたかな…という気はします…。ストーリーは理解できました。
感想としては、犬が…。
犬好きとしては犬がかわいくて、そしてちょっとせつなかったです…。


続編もあって、現在のところ原書は三作出ているようですが、これ一作でも物語としてはきれいに完結していると思います。
邦訳は上下巻にわかれていて、東京創元社から渡辺庸子:訳ででています。

時間のない国で 上 (創元ブックランド)時間のない国で 上 (創元ブックランド)
渡辺庸子

東京創元社 2006-11-18


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