「ある日どこかで」リチャード・マシスン
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原題は、最初は「Bid Time Return」として発売されましたが、その後、映画化のさいに題名を「Somewhere in Time」にしたことから、原作の題名も現在では「Somewhere in Time」で発売されることが多いようです。
映画は、作者自身が脚本を書いているとのこと。
私が今回読んだのは邦訳だけで、東京創元社から尾乃上浩司:訳 佳嶋:カバーイラスト 瀬名秀明:解説で出ているのですが、その巻末の解説がけっこう詳しくて、タイトル変更されたいきさつや、本書のヒロイン、エリーナ・マッケナのモデルとなった女優、初代ピーター・パンとしても有名なモード・アダムズ Maude Adamsのことなどにも触れらています。
この作品は1976年の世界幻想文学大賞受賞作。日本でも、映画は公開され、宝塚でミュージカル化もされた作品。けれども、長いあいだ邦訳は出版されていなかったとのこと。
あらすじ
病気のため残りわずかの命と知ったリチャードは、車に乗って、あてのない旅に出ます。そうして泊まったホテルで、過去に活躍した女優の、古いポートレイトを目にし、ひとめぼれしてしまいます。女優の名前はエリーナ・マッケナ。
リチャードは彼女と恋をするために、過去へと旅立つことを決意するのでした…!
私は映画も宝塚もみていないので、それらと比べて原作はどうとかこうとかはわかりませんが…
ロマンティックなラヴ・ストーリーかと思ってたのですけど、ラブ・ストーリーというか…ラブ・ストーリーでまちがいはないのですけど…、むしろ恋愛の部分より、時間旅行をいかに実現させるか、といったところに力点がおかれているような。
つまり、時間旅行という不可能なことを可能にするためのエネルギーとして恋愛による超強力な思い込みパワーが必要なのでそうしたのであって、ロマンティックなラブストーリーのために時間旅行といったものを設定したのではない、という感じがしました。
ある日どこかで (創元推理文庫) Richard Matheson 東京創元社 2002-03 Amazonで詳しく見る by G-Tools |