「ライズ 星の継ぎ人たち」タニス・リー

Wolf Star: The Claidi Journals II (Lee, Tanith. Claidi Journals, Bk. 2.)Wolf Star: The Claidi Journals II (Lee, Tanith. Claidi Journals, Bk. 2.)

Puffin 2002-07-08


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「きみは規則を破る」ヴェンは夢見るようにいった。「機械も壊す。そうだろう?」
"You break rules," he said dreamily. "You break machines, don't you?"

タニス・リーの「ウルフ・タワー」シリーズ、第二巻。
「ライズ 星の継ぎ人たち」
原題「Wolf Star Rise」(2000年) アメリカ版タイトル「Wolf Star」
邦訳は一巻と同じく、産業編集センターから中村浩美:訳 桜瀬琥姫:カバーイラスト で出版されています。


あらすじ
運命の相手との結婚式をひかえて幸せいっぱいのクライディ。しかし、タワーから追ってきた男たちに、ウェディングドレス姿のままで誘拐されてしまいます。つれていかれた先は、ジャングルに囲まれた不思議な場所。そこは、外の世界を知らないひとりの王子が、ロボットたちと本と動物に囲まれて暮らす、一種の楽園のような場所でした。しかし望んでこの場所にやってきたわけではないクライディは、脱出を謀ります。愛する人のもとに戻るため。


前作は、多少の謎は残ってはいたものの、一作としてほぼ完結していたのですが、今回はやや続きが気になる形で終わっています。
一応、あるていどの区切りはついてるのですが、結婚式の日にさらわれたまま、花婿さんと再び会えないままの状況で終わっているので…。はてさてどうなることやら。


今回のモティーフとして、<太陽>と<月>がでてきます。太陽と月のはざまにいるということは、ふたつの重要なものの間にいるということで、決断しなくちゃいけない、どちらかを選ばなくちゃいけないという状態のことらしく、そういった状態におかれた女性がどの道を選んだのか、といったことが、主人公のクライディの選択とともに語られます。


好きな人そっくりの外見だけど性格が違う新たな男子登場という、これまた少女小説王道の展開全開って感じで楽しかったです。
英語は主人公の一人称なので比較的読みやすいとはいえ、七割から六割くらいしか理解できてないので…邦訳と一緒じゃないと今の私にはちょっと厳しいです。

ライズ 星の継ぎ人たち―ウルフ・タワー〈第2話〉 (ウルフ・タワー (第2話))ライズ 星の継ぎ人たち―ウルフ・タワー〈第2話〉 (ウルフ・タワー (第2話))
Tanith Lee

産業編集センター 2005-03


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過去まとめ:ウルフ・タワー