古王国記「アブホーセン」ガース・ニクス

AbhorsenAbhorsen
Garth Nix




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いつだって、なにかしているほうがましなものです
It's always better to be doing(引用)

ガース・ニクス(Garth Nix)の「アブホーセン―聖賢の絆」、原題「Abhorsen」2003年。
古王国記シリーズの第三巻です。いまのところ、この巻でシリーズは三部作として完結していますが、外伝もでていますし(未訳)、新シリーズも刊行される予定があるようです。

あらすじ
「殲滅者」の復活を阻止するため、また「殲滅者」に支配された友人をたすけるため、ライラエルとサムは紅の湖にむかいます。しかし「殲滅者」が封印された半球は掘り出され、船でアンセルスティエールへと運ばれてしまいます。国境を越えたライラエルたちは、古王国の国王夫妻が暗殺されたことを知らされ…。

今回も邦訳の文庫と洋書はアメリカ版ペーパーバックをあわせて読みました。アメリカ版ペーパーバックには、いつもの古王国の地図といっしょに、今回はアブホーセンの館の見取り図が載っていますが、文字がちっちゃすぎて潰れてよく読めないのが悲しい…。

今回の巻で、「不評の犬」や、モゲットの正体が明らかになります。犬に関しては、ああなるほど…という感じです。正体がわかってみると、犬の使ってきた力や、なぜ犬なのか、また、そういえば常にライラエルを前に歩かせていたなあ…とも思います。

最後で七人が七つのベルを鳴らすのですが、誰がどのベルを選ぶかは、たぶん最初から考えて『ライラエル』と『アブホーセン』の二作は書かれていたと思います。二作目から登場した人物と、選んだベルの性格はかなり呼応しています。そのあたりをふまえて、もう一度最初から読み直してみたら新しい発見もあって楽しいかもしれないなと思いました。

アブホーセン―聖賢の絆〈上〉 (古王国記) アブホーセン―聖賢の絆〈上〉 (古王国記)
Garth Nix 原田 勝

主婦の友社 2006-12-01


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書庫:ガース・ニクス