ティル・オイレンシュピーゲルのゆかいないたずら

The Merry Pranks of Till EulenspiegelThe Merry Pranks of Till Eulenspiegel
Lisbeth Zwerger

North South Books 2000-11


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リスベート・ツヴェルガーの絵本。「ティル・オイレンシュピーゲルのゆかいないたずら」(1990年)
ドイツ語の原題は「Till Eulenspiegel」。英訳版は「The Merry Pranks of Till Eulenspiegel」

これは邦訳版だけ持っています。英訳版は入手が難しかったので…。邦訳を購入したのは二・三年前だったか、そのころはまだ入手できたのですが、現在は品切れ状態のようです。出版社さんのサイトでも在庫切れのようでした…。(出版社さんのサイトで絵本の内容が少し見れます。在庫があるものは通販もされてます→http://www.taiheisha.co.jp/syuppan/lisbeth/lisbeth3-4.html

ティル・オイレンシュピーゲル」は、ドイツの民間伝承の登場人物で、道化です。リヒャルト・シュトラウス交響詩ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」なども有名です。日本の「吉四六(きっちょむ)さん」みたいな存在かな…という気がします。(あまのじゃくという感じもしますが)
ティル・オイレンシュピーゲルの伝承は多数あるようなのですが、この絵本では、11のおはなしをハインツ・ヤーニッシュが再話し、それにツヴェルガーが絵をつけています。邦訳は阿部謹也


ティル・オイレンシュピーゲルのゆかいないたずらティル・オイレンシュピーゲルのゆかいないたずら
リスベート・ツヴェルガー

太平社 1991-07


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参考として、同じ訳者さんによる「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」(岩波文庫)もいっしょに読みました。そちらは、1515年のヘルマン・ボーテ Hermann Bote 著「ディル・ウーレンシュピーゲルの退屈しのぎ話(原題:Ein kurtzweilig Lesen von Dil Ulenspiegel)」を訳したもの。500年も昔のおはなしです。
以下は絵本に収録されている11のおはなしのタイトル。かっこ内の数字は、該当すると思われる話数です。

ティルが3回洗礼を受けたこと(1)
ミツバチのかごの中のティル(9)
綱わたりをするティル(4)
ティルが空を飛ぼうとしたこと(14)
ティルがフクロウと尾長ザルのパンを焼いたこと(19)
ティルが土地を買ったこと(26)
ティルがロバに文字を教えたこと(29)
ティルが山をこえて旅をしたこと
ティルが海にやって来たこと
ティルが緑色の布を青色だと信じ込ませたこと(68)
ティルの最後のいたずら(93)

「ティルが山をこえて旅をしたこと」「ティルが海にやって来たこと」のふたつの話は見当たりませんでした。
絵本の方は…あたりまえですが、かわいらしく上品で、ややわかりにくい話もありますけど、「ゆかいないたずら」の範囲内のおはなしです。
が。岩波文庫の方を読んだ正直な感想は…。
「道化=ジョーカー=悪魔だっけそういえば…。」
いたずら、なんて可愛いものじゃなくて、うんこしたりうんこ食べたりやたらうんこがでてきますし、正直胸糞悪いおはなしも多いです。アホすぎ…と何度つぶやいたことか。お下劣です。
でも楽しかったです。
時代背景を知らないので何がおもしろいのかサッパリのものも多かったですが、注釈が多いので、そちらを読んでいるだけでもいろいろ興味深かったです。

ティル・オイレンシュピーゲル」をドイツ語で読みたいという方はこちらのサイトさんで読めます(私はドイツ語はサッパリですが)→http://gutenberg.spiegel.de/?id=5&xid=229&kapitel=1


ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら (岩波文庫)ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら (岩波文庫)
阿部 謹也

岩波書店 1990-05


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