「まぜこぜシチュー」ロアルド・ダール
Rhyme Stew (Puffin Books) Roald Dahl Penguin USA (Jp) 2001-11 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
クェンティン・ブレイク:絵。
これも原書だけ読みました。「こわいい動物」「へそまがり昔ばなし」はカラーでしたけど、これは普通の白黒。80ページくらいの薄い本です。
邦訳は評論社、灰島かり:訳
ダールの詩集は、ずっとこの三冊だけだったのですけど、ダールの没後、未発表の詩も収録した「脚韻ソング(原題:Songs and Verse)」が発売され、邦訳もでています。
この「まぜこぜシチュー」は、ちょっぴり艶っぽい笑いもあるので、あまり子供さん向けじゃないな…と思いました。実際、原書の表紙には、ちいさな子供さん向けではないですよって注意書きもあります。艶っぽいといってもたいしたことはないし、こどもさんが読んでも何のことかわからないとは思いますが…。
難しめの単語もけっこう出てきますけど、絵をみればだいたい内容はわかります。
「へそまがり昔ばなし」と同じで、よく知られた昔話のパロディと、ナーサリーライム(マザーグース)のパロディが主となっています。
昔話は、ディック・ウイッティントンとねこ、ウサギとカメ、はだかの王さま、アリババと40人の盗賊、ヘンゼルとグレーテル、アラジンと魔法のランプ。
マザーグースは、「St Ives」「A Little Nut Tree」「Hey Diddle Diddle」「Mary, Mary」
そのほか、「A Hand in the Bird」は、たぶん「A bird in the hand」という英語の諺のパロディかと。(A bird in the hand is worth two in the bush. 手のなかの鳥一羽は、やぶのなかの鳥二羽に値する。「明日の100より今日の50」という意味)
●ディック・ウイッティントンとねこ
この物語は元のおはなしを知らなかったので、最初、パロディのおもしろさがよくわからず、ただめちゃくちゃな展開だなーと思っただけでした。実在したロンドン市長の、市長になる前のお話なんですが、実際にあったお話というわけではなく、かなりの作り話になっています。やっぱり元ネタを知らないとパロディはおもしろさが半減しちゃいますね…。
英語だとアンドルー・ランングの「あおいろの童話集」に収録されている「THE HISTORY OF WHITTINGTON(ウィッティントンのお話)」は、こちらのサイトさんで読めます→http://www.gutenberg.org/etext/503
またBBCのサイトで音声と動画で楽しめます→http://www.bbc.co.uk/cbeebies/tikkabilla/stories/dw.shtml
(このほかにも子供向けのかんたんな英語で、動画と音声付で楽しめるお話がいくつかあります。英語多読をはじめたばかりの方でも楽しめるかと。無料ですし→http://www.bbc.co.uk/cbeebies/fimbles/comfycorner/)
●ウサギとカメ
イソップ物語の一篇です。英語だと挿絵つきでこちらとか→http://www.gutenberg.org/etext/19994
アーサー・ラッカムの挿絵で読みたいならこちら→http://www.gutenberg.org/etext/11339
●はだかの王さま
アンデルセンの物語。日本語だと青空文庫さんで読めます→http://www.aozora.gr.jp/cards/000019/card46319.html
英語だとエドマンド・デュラックの挿絵つきでこちらなど→http://www.gutenberg.org/etext/17860
●アリババと40人の盗賊、アラジンと魔法のランプ
千夜一夜物語ことアラビアンナイトの物語。日本語だと
アリババ→http://www.aozora.gr.jp/cards/000083/card43123.html
アラジン→http://www.aozora.gr.jp/cards/000083/card43122.html
英語だと挿絵つきでこちらとか→http://www.gutenberg.org/etext/19860
こちら→http://www.gutenberg.org/etext/20916
●ヘンゼルとグレーテル
グリム童話。日本語だとこちら→http://www.aozora.gr.jp/cards/001091/card42315.html
英語だとウォルター・クレーンの挿絵つきでこちら→http://www.gutenberg.org/etext/19068
まぜこぜシチュー (ロアルド・ダールコレクション 17) クェンティン・ブレイク 灰島 かり 評論社 2007-03 Amazonで詳しく見る by G-Tools |