魔法!魔法!魔法! ダイアナ・ウィン・ジョーンズ短編集
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「Unexpected Magic : Collected Stories」という短編集のうち、「海駆ける騎士の伝説(Everard's Ride)」をのぞいた全部で十五作の短編と、「Stopping for a Spell」という短編集の三作をあわせて邦訳されたものです。
徳間書店、野口絵美:訳、佐竹美穂・絵
原書と邦訳と読みました。英語は、今の私のレベルでは難しかったです。目で追うだけで頭のなかに入ってこない…。
内容は、ファンタジーの他、SFも何作かあります。SFはほとんど読んだことがないのですが、とりあえず「ワープ」のことを「jump ジャンプ」というらしいことだけは覚えました。また、「ジョーンズって娘」は、作者が自分の九歳のころの思い出について語ったものです。
ネコの一人称で語られる「魔法ネコから聞いたお話」や、たくさんのネコたちがでてくる「ちびネコ姫トゥーランドット」は、ネコたちへの愛情がにじみでていて、読んでいて楽しかったです。ほかには「でぶ魔法使い」や「第八世界、ドラゴン保護区」、「緑の魔石」などは、これから長い物語がはじまるんじゃないかというようなわくわく感があって好きです。
「ダレモイナイ」は、「No. One(ナンバー1)」と「no one(誰も…ない)」をかけた、言葉遊びの楽しいおはなし。「No One」というのは高性能ロボットの名前。そこに「someone(誰か)」という超自然の存在が絡むのもおもしろいです。この物語に登場する男の子、エドワードには先祖から受け継いだコーシー Coursyの名前があるのですけど、「海駆ける騎士の伝説」に出てくるコーシー家と関連がありそうです。
なお、「ダレモイナイ(No One)」は、てらいんく「ネバーランドvol.2」に「イナイ」というタイトルで岸野あき恵:訳のものが掲載されています。
また、「ちびネコ姫トゥーランドット(Little Dot)」は東京創元社「ミステリーズ!vol.07」に「リトル・ドット」というタイトルで大友香奈子:訳のものが掲載されています。
◎ややネタバレ注意
「ちびネコ姫トゥーランドット」に謎かけが出てくるのですけど、「Why is a mouse when it spins?(ネズミがくるくるまわると、どうなる?)」という謎の答えが、「The higher the fewer.(高くなるほど、少なくなる)」になるのはどうしてなのか、その意味をいくら考えても難しくてちっともわかりません…。英国で有名な謎と答らしいんですけど…
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