「星を継ぐもの」ジェイムズ・P・ホーガン

星を継ぐもの (創元SF文庫)星を継ぐもの (創元SF文庫)
ジェイムズ・P・ホーガン

東京創元社 1980-05


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「しかし、人類は大きな夢を描きます……」彼は、低い声でゆっくりと言った。「人類が今日描いた夢は、明日きっと実現するのです」(本文より)

ジェイムズ・P・ホーガン James P. Hogan の「星を継ぐもの Inherit The Stars」

なぜかはわからないけれど、なんとなくSFが読みたくなって本屋をうろうろしてたら平積みしてあったのが目に入ったのと、タイトルがどっかできいたことある気がするので、おそらく有名な作品なんだろうと思って買って読みました。創元SF文庫、池央耿:訳。奥付みてみたら初版が1980年で、それから73版でした。すごい…


1977年の作品なので、この本に記されている科学とか物理とかの薀蓄のなかには古い情報もあるのかもしれませんけど、そういうのにまったく疎い私にはわかりません。原子がどうの分子がどうのって単語がずらずら出てくるだけで、なんかかっこいいなと思ってしまいます…。
これ原書で読むのはムリ…いまの私には絶対にムリ…と思いました。日本語で読んでも難しい単語がたくさんたくさん出てくるんですもの…。


とはいえストーリーはシンプルで、月で発見された宇宙服を着た死体が、五万年前のものだと判明したことから様々な推測がとびかい、調査によってだんだんと事実があきらかになっていく、というもの。チャーリーと名づけられたその死体は、地球人類とまったく相違がなかったのだ。
一方、木星の衛星ガニメデで、巨大な宇宙船が発見される。それは二千五百万年も昔のものだった…!


全体に描写が細かく丁寧なので、映像として場面を思い浮かべやすいです。木星…地球で見る月の五倍の大きさ…を主人公が目前にし、啓示を得る場面はとくに印象的でした。


ミッシングピース。題材としては現在ではありふれたものですけど、それでも結構おもしろかったので、続編も読んでみようかな…。この一冊でも完結していますが、その後、続編が二冊でて、「巨人たちの星」シリーズ三部作となり、その後にまた続編がでてます。


原書の方はいくつかエディションがでているようですが入手は難しい模様。
「Inherit The Stars 星を継ぐもの」「The Gentle Giants of Ganymede ガニメデの優しい巨人」「Giants' Star 巨人たちの星」の三作が一冊になったもの(「The Giants Novels」)も出ていますが、そちらも現在では古書でないと入手が難しいようです。


The Giants Novels: Inherit the Stars/the Gentle Giants of Ganymede/Giants' Star/3 Novels in 1The Giants Novels: Inherit the Stars/the Gentle Giants of Ganymede/Giants' Star/3 Novels in 1
James P. Hogan

Del Rey 1994-06


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