「ブレーメンの音楽隊」リスベート・ツヴェルガー

0698400429The Bremen Town Musicians
Brothers Grimm Lisbeth Zwerger Anthea Bell
Minieditions 2007-03

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リスベート・ツヴェルガーの絵本。
グリム童話の「ブレーメンの音楽隊」です。ドイツ版は2006年に、英訳版と邦訳版は2007年に出ました。このごろはドルが安いですけど、それでも邦訳のほうが安かったので、ものすごく悩みました。邦訳のほうが印刷とか製本とか質が高いこと多いですし。
とはいえ英語力向上が第一の目的だったはず…なので、英語版を買うことに。
文章はグリム童話の第7版に比較的忠実だなと思いました。(ドイツ語は読めないので邦訳のグリム童話と読み比べての印象です)


グリム童話の邦訳はたくさん出ていますけれど、このお話はネットでも青空文庫さん→http://www.aozora.gr.jp/cards/001091/card42314.htmlで、楠山正雄:訳のものなら読めます。


ストーリー:
年老いて主人にお払い箱にされそうになったロバは、音楽隊に雇ってもらおうとブレーメンの町をめざして主人のもとから逃げ出します。その途中で、イヌ・ネコ・ニワトリにであいます。イヌは猟ができなくなって、ネコはネズミ捕りができなくなって、それぞれ飼い主から殺されそうになったところを逃げ出したものの、この先どうやって暮らしていけばいいのかわからず途方に暮れているところでした。またニワトリは日曜日のごちそうにされそうになっています。
ロバは三匹をさそって、みんなでブレーメンをめざします。
しかしブレーメンまでは一日ではたどりつけません。日が暮れて森のなかで野宿をしようとしたところ、四匹は泥棒たちの隠れ家をみつけます。なんとかして泥棒たちを追い出し、ごちそうを自分たちのものにしたいと考えた四匹は、あることを思いつきます。ロバの背にイヌが乗って、イヌの背にネコが乗って、その上にニワトリが乗って…?


子供のころは、ただただ面白い話としか思ってなかったブレーメンの音楽隊。四匹のことを泥棒たちが化け物と勘違いして逃げ出すのが楽しくて好きでした。でも今読むと、年をとって役に立たなくなったからと首を切られる動物たちが、人間社会のあれやこれやを思い起こさせて、これは大人のためのメルヘンだったんだなあと…。


淡い色合いで、そこはことなく哀愁を感じさせつつも、どこか優しい、やわらかい空気につつまれている絵本。


邦訳

4776402378ブレーメンの音楽隊
ヤーコプ・グリム ヴィルヘルム・グリム リスベート・ツヴェルガー
ビーエル出版 2007-05

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