「ダニーは世界チャンピオン」ロアルド・ダール

What a child wants - and DESERVES - is a parent who is SPARKY!

ロアルド・ダールの「Danny the Champion of the World」


ダニーには母さんがいない。ダニーがまだ赤ん坊のころに死んでしまった。でもダニーには父さんがいる。父さんは、いわゆる「立派な教育を受けた人」ではないけれど、花や草や生き物たちのことをとてもよく知っているし、お話をつくるのが最高にうまい。
けれどダニーが九歳になった日のこと。
夜、こっそりどこかへ出かけた父さんが、帰ってきてからきかせてくれた話は、つくり話じゃない、本当の、でも、とても信じられないような、すごい話だったんだ…


主人公とお父さんの関係が、しみじみと「いいなあ」と思わせてくれる作品。お父さんの、息子に対する愛情が、すごく伝わるし、息子は息子で、お父さんのことが大好きで、ごく自然に尊敬している。友達同士、というより、もうほとんど「相棒」という関係で、ほほえましいです。


「魔法のゆび」や「父さんギツネ〜」でも、「遊びとしての狩り」や「動物を鉄砲で撃ち殺すこと」に対する嫌悪や批判が、主要なテーマとなっていますが、この作品も、その系列に入るかなあという感じ。
ダール作品のなかでは、地味めの作品のような気もしますが、さりげない伏線が、ラストに生きていたりして、面白かったです。


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邦訳はロアルド・ダールコレクション6「ダニーは世界チャンピオン」柳瀬尚紀:訳
旧訳は「ぼくらは世界一の名コンビ!」小野章:訳で出ています。


ダニーは世界チャンピオン (ロアルド・ダールコレクション 6)

ダニーは世界チャンピオン (ロアルド・ダールコレクション 6)