「小犬のピピン」ローズマリ・サトクリフ

このお話は本当にあったことだ、といってよいでしょう。本当の話だということを、わたしは知っていますし、本当だと信じてもいるのです。(邦訳p5より引用)


ローズマリ・サトクリフ Rosemary Sutcliff の「小犬のピピン A Little Dog Like You」
邦訳は岩波書店から猪熊葉子:訳 小野かおる:絵 で出ています。

原書の方は、ちょっと手に入れにくい状況のようだったので、邦訳を読みました。

邦訳は、アマゾンさんは在庫切れになってるみたいですけど(現在。状況は変わることがあります)、2006年の5月に再版されたばかりですし、岩波書店さんのサイト→http://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/11/1/1159960.html では購入可能になってますし、ほかの本屋さんでも買える場合があります。


ピピンはチワワ。とっても小さい犬種です。マミー(ピピンは飼い主の女の人のことをこう呼んでいます)に愛されて、幸せな日々をおくっていましたが、ある日、病気で命を落としてしまいます。
天国へ行ったピピンは、天国の門で、聖フランシスコさまに会います。(門の番人の聖ペテロさまは、午後になってお休みをとっていたのです)
ピピンは、ぼくをマミーの家に帰してください、と頼みます。
でも、生まれかわる道は、長く遠い道のりで、おまけに暗いのです。家の暗い廊下を歩くのでさえ、こわがっていたピピンには、たいへんな冒険です。しかも、本当にマミーに会えるかどうかさえ、わからないのです。
でもピピンは決意します。だいじょうぶ。だってピピンはマミーのことを本当に愛しているし、マミーだってピピンのことを本当に愛してくれているのですから…


全部で60ページくらいの、絵本に近いような短いお話です。
サトリフの歴史ロマンなどが好きな方には、まるきり傾向の違う物語といえるかもしれません。
ただ、犬好きの方には、ちょっぴり、じんときて、心あたたまる、可愛らしい物語です。

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