「ふたりはいつも」アーノルド・ローベル


「ふたりはいつも Frog and Toad All Year」(1976年)

アーノルド・ローベル Arnold Lobel の、がまくんとかえるくんシリーズ三冊目です。

冬にそり遊びをするお話からはじまって、早春、夏、秋のお話とつづき、最後にクリスマスで締めくくられています。


クリスマス・イブ。がまくんは、ごちそうをつくり、クリスマスツリーを飾って、かえるくんがやってくるのを待ちますが、かえるくんはなかなかやってきません。
がまくんは時計をたしかめますが、あいにく、がまくんの家の時計はこわれています。
がまくんは、だんだん心配になります。
もしかしたら、かえるくんに何かあったのかもしれない。穴に落っこちて出られないのかもしれないし、森で迷ったのかもしれない。
あるいは、けものに襲われて、たべられそうになっているかも!

"My friend and I will never have another Christmas together!"


このさき一生、かえるくんとすごすクリスマスがなくなってしまうかもしれない。
そんなことはさせじ、と、がまくんは、かえるくんをたすけにいくつもりで、家をとびだします。
すると、かえるくんとバッタリ。

"I am very sorry to be late. I was wrapping your present."


おくれてごめんよ、君へのプレゼントをつつんでたんだ。

そう言って謝るかえるくんに、がまくんはききます。
それじゃ君は、穴に落ちたわけでも、迷ったわけでも、たべられそうになってたわけでもないんだね!

"I am so glad to be spending Christmas with you"


がまくんは大喜び。
がまくんにとっては、大事な友達が無事で、自分といっしょにクリスマスをすごしてくれる、そのことが、何よりも最高のクリスマスプレゼントのようです。


…というような、ほのぼのとした友情ストーリー。
第一作では、十一月から冬眠していたがまくんですが、今回の冬は、かえるくんのおかげで、少しは冬の良さにも気づいたみたいです。でもやっぱり、冬は外で遊ぶよりも、ベッドのなかのほうがいいみたいですけど。


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邦訳もでています。

ふたりはいつも (ミセスこどもの本)

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