「クリスマス・キャロル」リスベート・ツヴェルガー


英国の文豪、チャールズ・ディケンズ Charles Dickens の「クリスマス・キャロル Christmas Carol」にリスベート・ツヴェルガーが絵をつけた絵本。
クリスマス・キャロル」の全文が収録されていますので、文章は、かなり多いです。


私は、すでに村岡花子:訳の「クリスマス・カロル」(新潮文庫)を持っていたのと、パソコンで英文を読むのはニガテなので、英語版を買いましたが、英文は、こちらのサイトさん→http://www.gutenberg.org/etext/46などで、無料で読むことができます。また、邦訳も青空文庫さん→http://www.aozora.gr.jp/cards/000914/card4328.html森田草平:訳を無料で読むことができます。


スクルージ老人は、商売熱心で、じゅうぶんといえるだけのお金をもっていますが、ケチで、それをまったく使おうとせず、使用人にも、ろくな給料をはらいません。たった一日の、クリスマスの休日でさえ、働きもしないのに給料だけもらうなんて、泥棒と同じだ、と言い放ちますし、どんなに寒くても、暖をとるための石炭でさえ、まんぞくに使わせてくれないのです。
また、貧しい人々のための募金に訪れた紳士に対しては、自分はたっぷり税金をおさめていて、それが国の福祉に使われているし、そもそも、余計な人口など減ったほうがいいんじゃないか、と言って、びた一文寄付しようとしません。
甥がやってきて、一緒にクリスマスを祝おうと、家に招待してくれますが、「ばかばかしい」と言って、おいかえしてしまいます。スクルージにとって、金儲けができるわけでもないクリスマスは、まったく無意味なものなのです。


そんなスクルージのもとに、かつての事業仲間だったマーレイの亡霊が、あらわれます。クリスマスイブのことでした。
マーレイの亡霊は、生前の行いのために、重い鎖でつながれていました。そしてスクルージの鎖は、自分よりも長生きしているぶん、より長く重いものになっているだろう、といいます。
マーレイはスクルージに忠告するために来たのでした。今ならまだまにあう、と。


そしてスクルージのもとに、三人の精霊があらわれます。三人はそれぞれ、過去、現在、未来のクリスマスの光景を、スクルージに見せるのでした…。


有名なお話ですし、ご存知の方のほうが多いかと思います。
老若男女を問わず、楽しめるお話ですが、大人になればなるほど、胸に深く迫るものがあるのでは、という気がします。


この物語を読むと、どうしても、自分自身の、過去、現在、未来のクリスマスについて、思いをめぐらせずにはいられません。
自分自身が楽しむのはもちろん、みんなが楽しいクリスマスをすごして、幸せな気持ちになれたらいい、そのために自分にできることがあるのなら、できるかぎりのことはしよう、といったような、優しい気持ちになれるお話です。
家族ですごすクリスマスの大切さ、といったものにも、気づかせてくれる本。


→本の詳細・洋書(amazon)


絵本の邦訳は、太平社さんからでています。

クリスマス・キャロル

クリスマス・キャロル