「オリビア」イアン・ファルコナー


イアン・ファルコナーの絵本、「オリビア Olivia」(2000年)。バレエやオペラの舞台衣装や芸術を手がける仕事をしていた作者が、はじめて描いたこの絵本は、2001年のコールデコット賞銀賞を受賞しました。


子ブタのオリビアの、キュートな日常をかいた絵本。
絵はシンプルで、色使いも、薄墨色に近い茶色と、赤と黒の三色くらい。そのなかで、とくに赤の使い方が印象的です。


リビアは、晴れた日は海に行くのが好き。とても立派な砂のお城(?)をつくったり、肌を焼いたりする。
雨の日は、オリビアは美術館へ行く。お気に入りはエドガー・ドガバレリーナの絵。
こちらの絵→http://commons.wikimedia.org/wiki/Image:Edgar_Germain_Hilaire_Degas_033.jpg

ながめながら、バレリーナになった自分のすがたを思いえがく。
それから、家に帰って、ジャクソン・ポロック Jackson Pollock(アメリカの画家。抽象表現主義)の絵をマネしてみたりする。壁じゅうに絵の具をぶちまけて、自分も絵の具まみれ。


お風呂に入って、ごはんを食べたあとは、ママに絵本を読んでもらう。五冊読んでもらいたいところを、妥協して、三冊でがまんすることにする。
そのうちの一冊は、どうやらマリア・カラスMaria Callas(オペラのソプラノ歌手。最高の歌姫と称された)の絵本のよう。オリビアは、オペラ歌手にも憧れているみたい。なにせ、歌をうたうのは大得意!


そんなオリビアにふりまわされながらも、ママは、

You know, you really wear me out. But I love you anyway.

「なんだかんだ言ってもやっぱり、あなたのこと愛してるわ」


そしてオリビアももちろん、

I love you anyway too.


「私もママのこと、なんだかんだ言っても愛してる」


だいたい三十ページくらいの絵本で、文章は、1ページに数行で、そんなに多くはありませんし、英語も難しくなく、絵をみればわかります。
私が持っているのはハードカバー版ですが、ペーパーバック版もでているようです。


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邦訳もでてます

オリビア

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