「おどる12人のおひめさま」Kinuko Y. Craft


キヌコ・クラフトさんの絵本を読みました。1989年に描かれたものです。
「おどる12人のおひめさま」を再話したもの。もともとは、グリム童話なのですが、それをアンドルー・ラングが再話したものを、さらに再話したものです。


かんぬきのかかった部屋に眠る、十二人のお姫さまの靴が、毎朝、ぼろぼろになっているのを不審に思った王さまが、その秘密をときあかした者に姫のひとりを与える、とおふれをだします。
主人公は、夢のなかの不思議な女人の言葉にしたがって、城へと出向き、庭師となります。そして、いちばん若い、十二番目のお姫さまに恋してしまいます。
主人公は、夜、お姫さまたちの後をつけますが…


十二人のお姫さまが登場し、とても華やかななかにも、グリム童話のもつ、独特の薄暗さのようなものも感じられる絵本。ページ数は、40ページ近くあります。
東洋と西洋が溶け合ったような雰囲気の絵。
私は、お姫さま、だとか、お城、だとかが大好きなので、この絵本は、とても楽しめました。


話の流れや構造的には、アンドルー・ラング版とほとんど大きな違いはないですが、この絵本では、十二人という数について、


"One through twelve, like the hours on a clock, first to last, twelve daughters you have. All as beautiful as the many months of the year. They are the future!"(本文より)


時計の十二時間や一年の十二ヶ月のように、十二でひとつ、彼女たちは未来である、と、予言者に説明させています。


とりあえず、「踊る十二人のお姫さま」という物語について、もう少し詳しくは、→こちらのページにまとめておきました。よかったらご覧ください。


あと、この絵本の絵は、こちら→http://www.kycraft.com/book_detail_pages/twelvedancingdetail.html(オフィシャルサイト・英語)
で、少しだけですが、見ることができます。
…そうそう、オフィシャルサイトの予告によると、どうやら、画集が発売されるようです。嬉しい! 今から楽しみです(#^.^#)
絵本はともかく、本の表紙絵とかは、表紙絵だけのために買うのも「ん〜」だし、文字とかで潰れてたり、縮小されちゃってたりするので、できれば、本の表紙絵とかを中心に収録してほしいな…。


→この本の詳細(amazon)