「ずーっと ずっと だいすきだよ」ハンス・ウィルヘルム

ifyouaskme2006-04-05

I was very sad, too, but it helped to remember that I had told her every night, "I'll always love you."(本文より)


ハンス・ウィルヘルムの「ずーっと ずっと だいすきだよ」の英語版「I'll Always Love You」を読みました。
三十ページくらいの絵本ですが、文章の量は、それほどでもありません。
また、そんなに難しい英語でもありません。比較的初心者向けかと。


ストーリーもシンプルで、愛犬が生きて死ぬまでの物語。老衰で弱っていく愛犬にむかって、主人公は毎晩、「I'll Always Love You」と語りかけます。そして、とうとう犬が死んでしまったとき、その事実が主人公にとっての救いになります。


死んでいくものに対して、「愛している」と告げることによって、死にゆくものが救われ、幸せな気持ちで死んでゆく…というテーマは、よくあるけれども、
「愛している」と伝えることは、生き残るもの、つまり自分にとっても、「救い」になるんだ、ということは、この物語を読んで、はじめて気がつきました。


愛していると何度も言った、そう言われて相手もきっと幸せだったにちがいない、
という「思い出」が、愛するものの死を思うときに一緒に思い出される。「悲しい」だけの思い出にならない。「よかった」と思える。ちょっとだけど、救いになる。


だから、ちゃんといつも「愛している」と愛するものに伝えよう、相手が死んでしまったときに後悔しないように。


という気持ちにさせてくれる本ですが、しかし「愛している」と日本語で口にだして伝えるっていうのは、てれくさいものですよねえ…。
日本語訳は読んでいませんが、このタイトルの「ずーっと ずっと だいすきだよ」は、いいなあと思いました。「だいすきだよ」なら、まだ言えそうな気がします。…犬相手になら。


この絵本、正直、犬を亡くした経験のある私としては、ちょっと辛い絵本で、最初に読んだときは号泣しました。それは私が犬をなくした経験があるからで、そうでない人にとっては、べつに号泣するほど悲しい本ではないとは思いますが。
絵は、私の好みからは、ちょっと外れますけど、表紙の絵は好きです。


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