「Dulac's Fairy Tale Illustrations」エドマンド・デュラック

ifyouaskme2005-11-20

エドマンド・デュラック(エドモンド・デュラックと表記される場合も有る。Edmund Dulac)のイラスト集。「Dulac's Fairy Tale Illustrations In Full Color」ペーパーバック。洋書。
デュラックの挿絵が52点、フルカラーで収録されています。
デュラックの絵本は数点、日本でも現在入手可能ですが、絵本一冊買うよりも、こっちのほうが安かったし、収録されている絵も多かったので、とりあえず、ためしに買ってみました。どんな絵か、詳しくは知らなかったので。
アーサー・ラッカムと並び称されることが多いデュラックですが、たしかに、ラッカムが好きな方ならデュラックも好きになる可能性大だなあ、と思いました。雰囲気や色使いに通じるものがあるし、とにかく綺麗。
本書に収録されている絵は、眠れる森の美女や、サンドリヨン(シンデレラ)、青ひげ、といった、ペロー童話。美女と野獣や、アラビアン・ナイト。それから、アンデルセン雪の女王、エンドウ豆とお姫さま、はだかの王さま、人魚姫、ナイチンゲール、パラダイスの園、風の話等。
このアンデルセンのものは、日本でも新書館から「アンデルセン童話集1 雪の女王」「アンデルセン童話集2 人魚姫」で、でている絵本の絵から、全部ではないけれども大部分が収録されているんじゃないかな、と思います。
ちょっとびっくりしたのは、想像以上にオリエント色が強かったこと。アラビアン・ナイトは、まあその、あたりまえとしても、美女と野獣も、かなりオリエント、東洋風…。中国とアラビアとインドと西洋が融合している感じで、面白いなあ…と思いました。構図とかも面白い。でも、個人的趣味として、やっぱり一番好きなのは、西洋な、いわゆる「ふぇありーてぇる」な雰囲気の絵なんですけどね。グリム童話ーって感じの絵が好きなので。そういう絵も、もちろん収録されています。ちょっとしみじみと興味深かったのは、ドワーフの履いている七リーグ靴のデザイン…。


嬉しかったのは、物語の文章が少しだけ抜書きされているので、どこの場面の挿絵なのか、わかりやすいところ。ただ、そのほかは、詳しい解説のようなものはなく、せいぜい簡単に生い立ちや経歴を説明したものが1ページあるくらい。
とにかく絵を眺めて楽しむ、という、それが一番の目的の本です。


ちなみに、デュラックの絵が、どういう感じの絵か知りたい方は
こちらのサイトさん(英語)→http://dulac.artpassions.net/dulac.html
とか、あとこちらのサイトさんでは物語&イラストで読め、デュラックの絵もあります。(それ以外の作家さんの絵もあります)英語。
http://childhoodreading.com/illustrators.html