「The Magician’s Boy」スーザン・クーパー

ifyouaskme2005-10-29

スーザン・クーパーの「The Magician's Boy」。絵本に近いですが、絵本よりページ数が多く百ページくらい。挿絵はSerena Riglietti。イタリアのイラストレーターさんなんですが、いろんな国の本の挿絵を書いているみたいです。イタリア版のハリー・ポッターのイラストも描いてるんだとか。
けっこう可愛い感じの絵で、好きなので、挿絵がカラーじゃなかったのが残念。オフィシャルサイトも凝っててかわいい→http://www.serenariglietti.it/index.html


物語としては…、一応ファンタジーですが、かなり低学年向けに書かれているかな、という感じがします。
ナーサリーライムマザーグース)の「くつに住んでるおばあさん(The Old Woman in a Shoe)」「六ペンスの歌を唄おう(Sing a Song of Sixpence)」
あたりは、日本人にはあまり、なじみはないですけれど、その他は、ピノキオや赤ずきんちゃん、ジャックと豆の木ハーメルンの笛吹き、といった、誰でも知っている物語から登場人物が出てきます。
主人公は、マジシャンのアシスタントをしている少年。ある日のクリスマス、お金持ちのパーティで子供達を集めての興行に、少年は人形劇を行いますが、肝心の主役、聖ジョージの人形だけが、どこかへ消えてしまいます。
怒ったマジシャンは、少年に聖ジョージの探索を言いつけて、「The Land of Story」に送り込みます。そこで少年は、自分がこれまで見たり聞いたりした物語の登場人物たちに出会いながら、聖ジョージをさがしますが、聖ジョージは見つからず、かわりに少年がドラゴンと戦うことに…


少年のイニシエーションの物語、クエストの物語ではあるのですが、どっちかっていうと、不思議の国のアリスの少年版…かなあ。でも、アリスほど毒はありませんし。子供さん向けの本として、無難な感じの物語。
未訳の物語ですが、それほど難しい英語ではなくて、挿絵も多いし、なんとか読めたような気がします。