「魔空の森ヘックスウッド」について、つづき

昨日につづき、ダイアナ・ウィン・ジョーンズの「魔空の森ヘックスウッド」について。
あれから、「ベーオウルフ」をパラパラ読んでみたのですが(岩波文庫「中世イギリス英雄叙事詩ベーオウルフ」忍足欣四郎 訳)、フィテラとシイェムンドの項のところで、ちゃんと注釈がありました。で、その注釈によりますと、
「なお、北欧伝説では、竜退治をするのはシイェムンドに相当するシグムンドではなく、その息子のシグルズである」(本文より抜粋)
と。


英国の英雄叙事詩であるベーオウルフでは、シイェムンド(シグムンド)とフィテラ(シグルズ)は伯父、甥の関係。で、竜退治をするのは、伯父さんのほう。
でも北欧神話ヴォルスンガ・サガ」では、シグムンドとシグルズは親子で、竜退治するのは息子のほう。
北欧と英国で、違っちゃってるんですね。
だから、「ヘックスウッド」で、レイナー1がフィテラのことを、「マルテリアンの孫だったかな、甥だったかな」みたいなことを言っているわけです。
で、上記の事実を頭のなかにいれておくと、「ヘックスウッド」の物語のラストが、「ナルホドね」と、ニヤリとできるわけです。
私はヴォルスンガ・サガ、読んだことないですが、ネットであらすじみたいなのが紹介されているサイトさん(こちら→http://www.geocities.co.jp/Bookend-Hemingway/1463/Mfile_23.html)があったので、「ヘックスウッド」を読み終わったあと、それを読むと、ますます「ナルホドね〜ニヤリ」とできるんじゃないかと。
あと、マルテリアンというのは、やっぱりダイアナさんの創作で、マルテリアン=オーディンなのかな? と思うのですが、どうなんだろう…。


もっと北欧伝説とか、英雄叙事詩とか、勉強したら、ほかにもいろんなことがわかるのかもしれませんが、これ以上は専門書とか読まないといけなくなりそうなので、とりあえず私に探索できるのは、ここまでです。専門書を読むのは苦手なので^^;