「アンデルセン コレクション」リスベート・ツヴェルガー

ifyouaskme2005-02-16

リスベート・ツヴェルガー絵、「アンデルセンコレクション」
私が持っているのは英訳本、ハードカバーですが、邦訳は太平社さんから出ています。
本屋さんのなかでは、在庫でもっていて、それが残っているところもあるようですので、まだ手に入る可能性はあります。もし、どこかの本屋さんの店頭で売られていたら、迷わず購入されるほうがいいかもしれません。


そんなわけで、私は邦訳をもっていないので、詳しいことはわかりませんが、どうも、邦訳の方は、八話収録されているようなんですね。
で、私が持っている英訳本は、その八話に加えて、「おやゆびひめ」「ぶたかい王子」「The Nightingale」の三話も収録された、計11話なんです。その三話は、絵本として、独立した一冊としても発売されているものなのですが、それもコレクションとして収められた、お買得な本となっていますから、オススメ。
ただし、全部の絵が収録されているわけではなくて、一部、収録されていない絵もあります。しかし、タイトルページに、ちょっとした口絵が描かれているのですが、それはどうも、新しく描きおろされたような感じです。
そんなわけで、話数もたっぷりと入って、ちょっとした画集という感じです。ページ数は100ページ近く。文章も、けっこうあります。大きさは大型の絵本の大きさですので、豪華な印象の本。
英語は、そんなに簡単という感じではないですが、難しいというほどでもないです。アンデルセンの本なら、文庫で出てますし、邦訳は、そっちで読めばいいかなあ…と考えています。


私がこの本のなかで、いちばん気に入ったのは「火打箱」という、おはなし。
(どういうおはなしか知りたい方は、こちらのサイトさんで読めます→http://www.kt.rim.or.jp/~i-akio/WORD_OHANASHI/HIUCHIBAKO_STORY/story_hiuchibako01.html
はっきりいって、主人公の兵隊が、あまり性格がよろしいようには思えないのですが、ツヴェルガーの描く犬がかわいい。チワワみたいな犬です。これは勝手な推測ですが、ツヴェルガーって、犬好きだと思う。
あと、絵的に好きなのは、「眠りの精のオーレ・ルゲイエ


なお、太平社さんのホームページで、一部、絵本の画像が公開されていますから、どういう絵が収録されているのか興味のある方は、こちら→http://www.taiheisha.co.jp/syuppan/lisbeth/lisbeth3-5.html


それにしても、ツヴェルガーの手によって絵がつけられると、悲劇なのに悲劇じゃなくなるのがすごい…。「人魚ひめ」のときも、(死んでしまうにもかかわらず)ラストがさわやかだったのが印象に残っているのですが、マッチ売りの少女も、死が、「救い」に見えてくる。不幸な死として描かないのですね。
登場人物たちに愛情をこめて描いているんだなあ…という気がして、そこが好きです。