「ラクダのこぶはなぜできた?」リスベート・ツヴェルガー

ifyouaskme2005-02-05

ラドヤード・キップリングの「ラクダのこぶはなぜできた?」にリスベート・ツヴェルガーが絵をつけた絵本。
キップリングは「ジャングル・ブック」の作者。英国の作家さん。なので、おそらく英語が本来。
私が購入したのはアメリカ版ペーパーバックですが、邦訳もノルドズッド・ジャパンさんから出ています。アマゾンさんでは在庫切れ表示ですが、ほかの本屋さんで買える可能性が、まだあります。


…え〜、この絵本、ラクダがとにかくよく描けてるなあ、という印象。馬や牛や犬も、リアルなんだけど、リアルすぎないというか…
構図とかも好きです。ツヴェルガーの描く動物の絵が好きだという方には、オススメ。
ほかに砂漠のジンが出てくるのですが、アラビア風ではなくて、どうも、モンゴル風というか、騎馬民族風なジン。新鮮でした。
私のなかで砂漠のジンっていうと、あの、ハクション大魔王とか、あんな感じ…しかイメージできなかったのですが。


このお話、邦訳、どーゆうふうに訳されているのか、非常に気になります。
というのも、「Humph」と「Hump」という単語をかけた、ダジャレみたいなお話、なんですね。辞書をひくと、
「Humph」は、「ふん!」とか「ふふん」とか、そんな意味の単語で、
「Hump」は、「こぶ」とか、あと「…を背負って運ぶ」とかいう意味や、
「Hump oneself」で「がんばる」という意味もあります。おそらく、自分で自分を持ち上げる…というような意味で、「がんばる」といったニュアンスがあるのかなあ…と。


この物語は、ラクダが働かず怠けてばかりで、犬や牛や馬が「君も働けよ」みたいなことをいっても、「Humph!」と返事をするだけ。で、砂漠のジンが、ラクダに「Hump(こぶ)」をつけた、というお話。


正直、最初に読んだときは、「働きたくないっていうんだから、怠けさせておあげよ、草食べてりゃ幸せなんだからさ…」と、ムリヤリ働かされるラクダがかわいそうに思えたのですが(自分が怠け者なので、ついラクダに感情移入)
しかし、みんなが働いているときに、一人だけ怠けていてはダメだと。その人が怠けたぶんだけ、一生懸命働いているほかの人に負担が多くかかってしまって不公平だし、ほかの人の反感も買ってしまう。だから、みんなが働いているときは、みんなといっしょに頑張りなさい、と、そーゆう、実にマトモな意見のお話。