「Nutcracker」リスベート・ツヴェルガー

ifyouaskme2005-01-26

Lisbeth Zwerger(リスベート・ツヴェルガー)の絵本、英訳本、「Nutcracker」。アメリカ版、ハードカバー。
ホフマンの「くるみわり人形」に、ツヴェルガーが絵をつけたもの。
比較的最近に出版された絵本で、日本では今のところ、まだ未訳のような感じです。


実は私、日本でも邦訳のでている「くるみわり人形とねずみの王さま」と、同じ本かな〜と思っていたんです。しかし、そちらが出版されたのは1981年ごろ。この本は2004年に発売されたもの。
画風からみても、最近の画風ですから、やはり新しく出版されたもののよう。


古いほうの「くるみわり人形とねずみの王さま」の現物を、目にしていませんので、確かなことはいえませんが、ツヴェルガーによるホフマンの「くるみ割り人形」の絵本は、二種類あるようです。
古いほうもほしいのだけれど…邦訳も英訳本も入手困難な模様で残念…。
しかたがないから、画集に掲載されている絵をみて、ほかにはどんな絵があったのかな…と想像をふくらませるだけでガマンです…。


とはいえ、この絵本、かなりお気に入りです。
洗練されているというか、お洒落なんですよ。
ただ、ネズミが罠で殺されている絵とか、ちょっと怖い雰囲気の絵もあるので、よそさまの子供さんにプレゼントするには、もしかするとあんまりむいていないかもしれない…。明るい絵ではないです。
大人も楽しめる…というより、大人向けの絵本かもしれません。



ただ、私自身のことでいえば、私は子供のころ、こーゆう絵が好きでした。
おそらく大人が、「子供受けはしないだろう」と思うような、地味だし暗いけれども美しい絵本が好きでした。私だったら、こーゆう絵本、子供のころにプレゼントされていたら、すごく喜んだだろうな…。怖い絵だけれどもホラーではないのですよ。上品なんです。スプラッタとか、血の赤で脅しているだけの、下品な絵じゃないのです。


私がこの作品で、かなりお気に入りなのが、七つの頭をもったネズミの王さまの絵。かわいいんですよ、ネズミ。怖いけどかわいい。
そして、呪いによって醜いすがたに変えられてしまうお姫さまの絵。
前のページで、きれいな赤ん坊の姿で、次のページで、醜い、くるみわり人形みたいな顔に変わっているのですが…呪いをかけられた姿のほうが、私の目にはかわいく見えます…。